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キックバック対策を“ハブ側”から考える~DT Swiss DFキットという選択
- 2026/1/30
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フルサスペンションMTBに乗っていると、
一度は耳にする(もしくは体感する)のが
「ペダルキックバック」。
リアサスペンションが動いた瞬間、
ペダルが後ろに蹴り返されるような感覚。
特に下りや荒れた路面で起きやすい現象です。
今回は丁度ご注文頂いたスペシャライズドのDHバイク DEMOへの
装着依頼(要ハブ交換)が有りましたので
DT Swiss DF(Decoupling Function)キットについて、
「どんなパーツで、どんな人に向いているのか」
ショップ目線で整理してみます。

■ キックバックはなぜ起こる?
キックバックは
リアサスペンション構造とチェーンテンションの関係で起きます。
サスペンションが縮むと
BB(クランク軸)とリアアクスルの距離が変化。
チェーンは伸びないため、
距離が伸びる設計ではチェーンが引っ張られ、
その力がクランクを逆方向に回そうとします。

これが
ペダルキックバックです。
発生量はほぼ
メインピボット位置=フレーム設計で決まります。
■ フレーム設計での一般的な対策
多くのメーカーは、設計段階でこの問題に向き合っています。
- Horst Link / VPP / DW-link
→ ピボットを仮想化し、バランスを取る - ハイピボット+アイドラープーリー
→ チェーン経路を変え、
キックバックを「発生前に抑える」
これらは
フレーム側で解決する思想です。
■ DFキットは何が違う?
DT Swiss DFキットは
上記とはまったく別のアプローチ。
✔ フレームは変えない
✔ チェーン経路も変えない
ハブ内部で、逆方向のトルクだけを遮断します。
- ペダルを踏む力
→ 従来通り駆動 - サス動作による逆入力
→ ハブ内部で切り離して無効化
つまり
キックバックを「起きた後に消す」仕組みです。
■ DFキットが向いているライダー
このパーツ、万人向けではありません。
ただし、条件が合うと効果はかなり明確です。
◎ 下り重視・パークライド中心
- DH / フリーライド
- ペダルは踏むより足場として使う
→ ペダルが蹴り返されないだけで
安心感が大きく変わります。
◎ キックバックが強めなフレーム
- ハイピボット設計
- 思想のはっきりしたDHフレーム
「フレームは気に入っているけど、
足元の違和感だけ気になる」
→ フレームの性格を丸くする後付けパーツ。
◎ サスペンション初動・トラクション重視
- 低速の荒れた下り
- 根っこ・岩場・ウェットコンディション
リアサスが
一段スムーズに動き出す感触が出ます。
■ 注意点(正直な話)
DFキットは
チェーンテンション由来の力を逃がすため、
アンチスクワットも同時に下がります。サスペンションの動き出しがスムースになる為。
- 登りの踏み味はマイルド
- ダンシング多用の方には違和感が出る場合あり
XC・トレイル用途では
必須パーツとは言えません。
■ ショップとしての結論
DT Swiss DFキットは
「性能を底上げするパーツ」ではなく、
「気になっていた違和感を消すパーツ」。
刺さる人には
「もう戻れない」
刺さらない人には
「別に要らない」
評価が極端に分かれるのも、
このパーツの特徴です。
気になる方は
- バイクの用途
- 走るフィールド
- キックバックの感じ方
これを一度整理してからご相談ください。
合う・合わないは正直にお伝えします。
■ 注意点
DT Swiss DFキットは、「Ratchet DEG」という最新のフリーハブ機構を搭載したリアハブだけに対応します。
従来のDT Swissハブ(240/350系のEXP や旧式ラチェット)には装着できません。




















